シーズン総括

今季のアーセナルはアデ、トゥレを放出、フェルメーレンを獲得。
基本システムは4−3−3に変更。
23勝6分9敗、83得点41失点、75ポイントで3位。クリーンシートは14。ホームは47ポイントで3位、アウェーは28ポイントで4位。
データはGuardian ChalkboardsとTeleglaph statisticsから。(自分の足し算とテレグラフのデータに開きがあるのが心配ですが)


移籍は財政面を考えると大成功。フェルメーレンも大当たり。それでもファンペルシの離脱でワントップを出来るアデがいたら、と思うし、CBのバックアッパーがトゥレだったら、とも思う。結果論だし、それぞれに事情があるのは当然としても、替えが劣る部分の放出は痛かった。
フォーメーションの変更は、メンバー構成を考えると当然な部分もある。
ウィングの選手を活かす。中盤のセンターをこなす人材の豊富さ。役割の曖昧だった中盤の整理。DFラインの近くに選手を配置する事によるロングボールの対処。


攻撃の時に「4-3-3はより個人の能力が問われ、4-4-2はより連携の成熟が問われる」といった印象がある。
3トップは局地的な数的有利を作りやすく、ある程度の力の差があればかなり楽に戦えるし、中盤の増加により守備がコンパクトに出来る。
個人としては局面での必要な能力は限定されるけど、それが変わると別の部分が問われると言ったイメージ。
ウイングはボールを持つ時と逆サイドにある時で、必要な要素は大きく変わるし、ワントップはビルドアップとフィニッシュの段階で全然違う。中盤の選手は全ての能力の高さが必要だと思う。
で、序盤はファンペルシのおかげで上手く行っていたけど、離脱以降は前でボールを収められず、サイドでの有利は作れないし、行き詰まった時に後ろに下げても大きな展開が出来る選手が居ないので、薄いはずの逆サイドも使えないし、クロスを上げてもエリア内の人数が少ないし、そもそも微妙なボールに競り勝てる選手がいない。
それでも終盤にかけての諦めない粘りは素晴らしい部分。


守備ではウイングの選手のサイドバックサイドハーフへの対応の仕方で3トップか1トップかが大きく変わると思う。
サイドバックの裏を使うより、上がりにしっかり付いてくる場面が多く、サイドハーフを挟み込む場面は少ないので、普通の4-3-3だと...CLの決勝に行った時は4-5-1。モウリーニョ時代のチェルシーはより攻撃的なカウンターを考えた4-3-3のイメージ。
で、今季の守り方は、基本は当然1対1。スペースのケアはセスクともう一人の中盤。ソングとCBでロングボールを跳ね返し、周りが拾う。楔のボールに対しては3人ともが強く、裏に出たボールは走力を活かして最低でもプレーを切る。押し込んだときはインターセプトを積極的に狙い、オフサイドトラップを多用。
失点自体は結果に関わらないものも多く、昨シーズンよりややマシといった印象。
崩され方は、序盤ではクリシの怪我とコンディションの不良、トラオレ、ギブスの経験不足により、左サイドへのロングボール。アルシャビンの守備での緩慢さ、ディアビデニウソンのケアの遅さから、こぼれ球を拾われて、ソング、フェルメーレンがケアに行き、中央が薄くなるといった感じ。フラム戦が一番それを徹底された印象。
対強豪チームでは、押し込まれた時の約束事が少なく、局面での守備に追われる印象。しっかり中を固めるチームが多く、効果的な攻撃が減るし、そこまで体力を奪えない。
フォーメーションの構成上、局地的な優位を作るとなると、当然他が薄くなるので、奪われた時のスペースは広く、その部分のケアが上手い選手も少ないのでカウンターがきつい。その場面で頑張れる選手も少ないし...
終盤は能力不足。ロングボール、セットプレーでボロボロ。裏も良く取られるし、キーパーは不安定だしで大変。ローバーズ戦、ウィガン戦とかもうね...


結局は今季も怪我に泣き、上位2チームには完敗。下位チームから多く勝ち点を挙げ、ゲーム終盤で得た勝ち点も多く、何度もタイトルレースに復帰。チェルシー、ユナイテッドに対するアップセットが多かったものの、CLバルサ戦前後で息切れし、最後は離されて終了。
少ない投資で3位に入り、一歩遅れた状態ながらタイトルレースに終盤まで参加。内容もディフェンス面以外では成長を見せた部分が多く、来季への期待はある。
怪我と対強豪チームとの戦い方が上手く行けば...
移籍報道も騒がしいけど、戦力を落とすこと無く、出来れば上積みして、W杯を上手くしのいで、プレシーズンへ。


次はデータを含めて。